丸い卵も切りようで四角


START
 ベッドの下に転がっていたマスカラが、あいつに見つかった。
「これどうしたの? リョウがメイクしてるところなんで見たことないけど」
 彼女は笑いながら威圧するという上級テクを使い、少しずつ間合いを縮めてくる。

「誕生日プレゼント」と言い逃れる→Aへ
「あたしだってマスカラくらい使う」と嘘をつく→aへ


A
「ふーん、プレゼントねぇ」
 彼女は頬に左手をあてがい胡散臭げに呟いた。あたしはひやひやして問題のそれを奪おうと腕を伸ばす。
「……誰の?」
 めざとい彼女はポケットの中のそれを素早く取り出し右手に握った。

「ちょっと早いけど持って帰って」→Bへ
「いいから返せ」とせがむ→bへ


a
「へえ、そうなの? 知らなかった。だって私の前じゃ付けてることないもんね。じゃあリョウは誰に色目使ってるのかしら」
 彼女のその声は聞いていてぞっとした。自分の状況と、袋のネズミ、という言葉がぴったり重なる。

「これからつけるの、おまえと会うときに」と取り繕う→Bへ
「おまえには関係ないだろ」と強気に出る→bへ


B
 そっか、と彼女は笑みの下に隠れていた怒りを消し声色を和らげる。ややぶっきらぼうに言ってみたのが功を奏したらしい。あたしは心の内で小さくガッツポーズをとった。
「そういうことなら信じてあげる。それに嬉しい、ありがとね」
 微妙に信用の欠けた返事には目を瞑り、彼女の髪をそっとすいた。

→なんとか無事な結末です。よかったね。


b
「ごまかさないでよ。誰?」
 足もとについた火が、眼下まで迫ってきている。
「……いやほら、部活の後輩につけろって言われて」
 苦し紛れのレベルにすら達していない言い分だ、当然彼女は納得しないだろう。
――と思いきや。
「そうなんだ」
 いともあっさりと彼女は引き下がった。なんかよくわからないが助かった。
 という喜びも束の間、現状は無論皆さんお察しの通り、とここに記す次第である。

→なんとか命は無事な結末です。よかったね。


[08/??/??]
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